2009年12月13日日曜日

パブリックエネミーズ初日行きました。レビュー。


12月12日はJhonny Deppのお待ちかね最新作映画「パブリックエネミーズ」の公開初日でした!

昨晩(今朝未明)のナイトショーに行ってきましたヨ。
美しいジョニーデップの雄姿を見ようと、夜中に自転車を飛ばし、行ってきましたTOHOシネマズ二条。
この日は劇場版ワンピース ストロングワールドの初日でもあったので、ナイトショーの時間帯でも人だらけでした。驚きのワンピース現象!

パブリックエネミーズの方は、人の入りは疎らだったので、かなりゆったりと座って見れました。
TOHOシネマズ二条には初めて来ましたが、シートが適度に硬くてまずまず座り心地が良かったのと、何よりスクリーンがとても鮮明で美しかったことに感激しました。
毛穴まで見えるぐらいの鮮明さに、AVATARのCG映像が耐えうることにも感動。
凄いな~、今の映像技術って。


さて、パブリックエネミーズの感想ですが、個人的に思ったのは、これはジョニーデップのつなぎの映画だということ。

主人公の銀行強盗犯ジョン・デリンジャーの人間的魅力について様々なレビューを事前に読み期待していたものの、映画の中では何一つ共感できる部分はなく、ジョニーデップが美しい以外は何も感動する要素がありませんでした。もっといえば、驚いたり期待を裏切られたり、というような観客心理に働きかけるストーリーも仕掛けもなく、さらにはメッセージ性がほとんど感じられませんでした。
一途な恋愛、市井の人間からはお金を奪わないという独特の倫理観、仲間を大事にする人間味あふれる人物像…などと紹介されていたのですが、何一つ際立ってそれが特徴的、とも感じられず(描き方の問題でしょうか?)、唯一印象に残ったのはリアリティに尽力しまくりな長く多いドンパチ劇。発砲音と打たれた時の反動、皮膚の損傷や血の流れ方には細かく配慮されて描写されているなーと感じました。

私がマイケル・マン監督の作品のことを良く知らないからなのかもしれませんが、男気溢れる作品を描いてきた監督だから、割と恋愛についても淡泊・短絡・ハードボイルドな描写になっちゃうんでしょうかね。
急に酒場で見た女性に一目ぼれして、誘って、関係を持って、一度逃げたのを連れ戻して、という二人の恋愛ストーリーからは心の動きが読み取りにくく感じられるほど表情もセリフも控えめに描かれています。
何で急に恋に落ちたの?何でそんなにこの女だけと思いこんで追いかけてるの?そんなにお互いにほれ込んだのは何がきっかけなの?という感じで全然共感できませんでした。
本宮ひろしの漫画や、北方謙三のハードボイルド小説の恋愛描写に近い?いや、もっと淡泊かも。

あと、全体的に起伏がないストーリーで、淡々とすすんでいくのも見ていて辛い。ジョニーデップの出ている映画にケチつけたくはないですが、退屈でした。
ヒロインのマリオン・コティヤールがとっても美しいので、二人の絡みやアップは画面的に飽きませんできたが、とにかくストーリー、もっとどうにかできたのでは?と思ってしまいました。

ただ一つ良かったのは、終盤近くに主人公が自分の事件の捜査本部に平然と入り込むシーン。
写真などの捜査情報を貼り付けているホワイトボードに接近して眺め、さらにメジャーリーグのラジオ中継に熱中している本部の連中に話しかけるシーンはカメラワークも良く、緊張感があって良かった。


しかし、なんでこのジョン・デリンジャーを描こうと思ったのでしょうか。題材に困って見つけてきたネタっていう印象も受けてしまいました。どこにも正義を感じられないし、どんどん仲間は殺されていくけど悲しむ姿はないし、恋愛もただ単に急で横暴・不遜な感じ。金を奪って逃げる…ただそれだけ。金を奪う目的も、自分のためだし。
別に映画で描くほどの人生観はありませんでした。見て得るものがなかった。
期待していたので、とってもとっても残念でした。

普通の格好のジョニーデップが、普通の映画の、あんまり特徴のない普通の役(まあ、犯罪者ですが)をしている、っていう映画です。

天下のジョニーデップがしなくても…って思えて仕方ないですね。
不思議な世界の不思議な風体の、不思議なタッチの役どころばっかりではイメージに偏りが出るから、中和するためにこの役を選んだのなら成功かもと思います。まったく面白みがなかったので。


ジョニーデップには、次回作と次々回作に期待!ですね☆
これはその映画までのつなぎ。次回作に期待を抱くための導入、と考えました。

次回作は2010年1月公開予定の「Dr.パルナサスの鏡」(テリー・ギリアム監督)。
次々回作は言わずと知れたティム・バートン監督の「アリス・イン・ワンダーランド」です!
ジョニーの本領発揮!ですね~。


(以下の映画概要については http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22451/# より引用)
--------------------------
監督:マイケル・マン
出演:ジョニー・デップ、クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール

鮮やかな手口で銀行から金を奪い、不可能とも思える脱獄を繰り返す世紀のアウトロー、ジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)。利益を独り占めする銀行を襲撃する大胆不敵な犯罪行為、強者から金を奪っても弱者からは一銭も奪わないといった独自の美学を貫くカリスマ性に、不況に苦しむ多くの国民は魅了され、彼をスターのごとく崇めた。そんな中、デリンジャーは一人の女性・ビリー(マリオン・コティヤール)との運命的な出会いを果たす。ビリーもまた危険な選択だと分かりながらも、彼の強引で一途な愛に次第に惹かれていく。一方で捜査当局は、デリンジャーをアメリカ初の「社会の敵ナンバーワン(Public Enemy No.1)」として指名手配する。捜査の包囲網に追われながら、永遠の愛を信じた2人は自由への逃亡を決意する――。大恐慌の1930年代、庶民の心を虜にした伝説の犯罪者、ジョン・デリンジャーと彼の愛した女性のスリリングな逃亡劇を描く。

2009年12月12日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開
2009,アメリカ,東宝東和
© 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
------------------------

ほいじゃあ☆